人智など小さなもの。ラピスラズリ色の煌めき

その先は地雷原
急にチャーターしていたワゴン車が停車した。雪が残り、地雷原のサインでもある赤い石が目に飛び込んできた。

「見えたぞ」という声
ワゴン車を降りて、遠くの湖を見る。「バンデアミール湖だ!」と驚くと同時に、爆撃をくらったような大破した車と、真っ赤な地雷未除去サインの石も目に飛び込んできた。

地雷原の中
あたりを見渡すと、他にも赤い石がごろごろ落ちている。轍はあるが、そこから先は地雷原らしい。この道以外、地雷原という現実。

戦火をくぐり抜けてきた人
気が付けば、ワゴン車に同行していた案内人の爺さんが地雷原の中を歩いている。もちろん、爺さんは地雷原と言うことを知っている。

紫の光
さっき見た湖の端っこは、正直、期待はずれだった。しかし、数百メートル進んで、隣に位置する湖を見た時、その場にいた全員が息を飲んだ。真紫の湖。

絶景とは
紫色の湖の中央に建物だか、遺跡だかが見えた。後ろの山脈の砂の色もありえない色で、地球の未知の美しさに身震いした。

透明の流れ
流れ出している部分に近付いてみると、不思議なことに、水は透明でしぶきは白色だった。おそらく深く溜まって色が見えるのだろう。

建物の中へ
せっかくなので建物まで近付いて中に入ってみることにした。

小さなモスクだった
中はひんやりとしていて、独特の締まった空気に包まれる。そうか、ここはモスクなのだ。

モスクの中心には
モスクの中央には、腰ぐらいの高さの土の台があり、石板などが備えられていた。

エメラルドグリーンの湖
一段高いところに登ってみようということで、ワゴン車のドライバーに頼み、連れて行ってもらった。目の前にライトブルーの湖が広がっていた。

太陽のチカラ
先ほど来た方角を振り返ってみた。なんと、陽が差してきて、紫色だった湖がコバルト色に変化してゆく。

地雷原と自然
浅いところはエメラルドグリーンに、深いところはコバルト色に輝く湖。そして崖の上には、なんにもない、いや、人がいない大地が広がっていた。これを自然と呼ぶのだろうか。

雲が流れて
先ほどまで厚く垂れ込めていた雲が走り去ってゆく。バンデアミール湖にも、雲のカタマリの反射が走り去ってゆく。

天候芸術
個人的に感じたことかもしれないが、アフガニスタンという国は、雲の形が複雑に変化する。その形状の変化だけを見ていても飽きることはない。

ところどころに残る雪
アフガニスタンの4月は、空気が冬の雰囲気をほんの少しだけ残していて、締まっていると感じることもあるが、太陽が昇ればとても爽やか。ただ、いたるところに残雪を見ることができる。

水、土、岩、雲、空
コバルトの湖(曇りのときは紫の湖)、エメラルドグリーンの湖、人がいない大地、天候が織りなす芸術。そのすべてに気付いた時、また新しい表情をバンデアミールは見せてくれた。

美と平和のバランス
案内の爺さんに「美しい」と伝えると、「こんなものよりも、豊かさと平和だ」と切り返された。そりゃ、そうだ。

いつの日か
平和になったときに、また。そう思い、足下の湖を見た。それまで待っていてくれる気がした。いつになるのかは分からないが。
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